四方山会
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『祭りの中の世界=四方山会という祭り集団=』


民俗文化サークル 四方山会
会長  河合 克行

 多様化している現代社会の中において、私達は年齢や立場を超えた同じ目の高さで、物事を見たり、考えたり、活動するということが少なくなってきた。同じ目的を成すために相手の境遇や立場を理解し、同じ価値観で歓び、悩み、楽しみ、哀しみ、泣き、笑うことを私は “祭りの視線で物事を考える” と言っている。

  縦割り社会においてはその時代の価値観で人々は序列化され、その立場と存在が決められてしまう場合が多い。‘暗いより明るい方がいい’‘短いより長い方がいい’‘遅いより早い方がいい’‘貧しいより裕福な方がいい’といった価値観がもし常識的なことであるとするならば、私達は大きな社会の死角の中で生活を営んでいることになるのではなかろうか。現代の画一化された評価尺度という覆いを取り払うと、人の気持ちの活きた姿がよく見えてくる。祭りという場はさまざまな気性や人間性や生き様を尊重し、互いに認め合う空間でもある。そのため、皆祭りに酔い、快い解放感を味わうことができる。また、祭りの中では皆互いに“氣”の融合を図ろうと無意識的に努力する。そこに祭りを通じての団結心が芽生え、特有の“氣質”が生まれてくる。いわば、祭りとはその街の地域性を育てる‘ゆりかごなのである。

  祭りの中には拘束というルールはない。見知らぬ他人同士が祭りという目的を共有する時、誰しもが自ずとお互いの存在を尊重しようとする自己自制を働かせ、お互いを結ぶ“絆”という気持ちの支え合いで規律がつくられ、理想的な仲間意識が生まれてくる。

  私達は祭りを通じて感動を表現できる人間社会を目指している。社会へ私達の思いを確かに響かせるためには、個としての行動に限界があるため、群れとしての感動表現に意義を感じている。祭りという群集の中で私達は常に最大限の自己表現を行い、自己活性化を図る。しかし、祭りを愛する人達は自分だけが祭りの中の主権者となることを拒む。「メダカは成長してもメダカである」という美徳を自覚しているからである。

  各世代の生きた生活風潮や技をその時折の心の様相と共に言葉や体験で伝えていくことは社会教育上も大切なことであり、最も日常的で単純な継承方法でもある。祭りはこれら地域の実勢を伝える場であり、地域社会の開かれた人間広場でもある。社会環境は変わっても人間社会の中で伝え継がれる心の様相にさほど大きい違いはないはず。私達は姿、形を変えながらも先人の智恵を伝承し、活かすことに誇りを持っている。

  社会の活性化の担い手はいつの時代においても若者であるように、どのような祭りにおいても活性化の主役は若者以外にいない。時代を最も敏感に反映している心と情熱と新しい発想が次世代への掛け橋役として相応しいからである。祭りは誰しも心の故郷であり、すばらしい祭りのあるところにはすばらしい若者が集う。そして、理想的な祭りを求めている地域は、すばらしい地域を創造していることの意思表示でもある。

 


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